北海道の日本酒の特徴
かつては日本酒造りに不向きとされたこともあったが、酒造好適米の開発や技術の向上により、全国的に知られる名酒も生まれている。特に、1975年に生まれた「国士無双」は、淡麗辛口の火付け役となった日本酒として知られる。また、旭川の男山株式会社は、御免酒「男山」を醸造していた「木綿屋山本本家」の正当継承蔵となっている。
北海道で生まれた酒米には、「吟風」「彗星」「きたしずく」などがある。
青森県の日本酒の特徴
コクの津軽、キレの南部と大まかにとらえられることがある。全国的に知られる名酒が複数あるが、中でも「田酒」は、1980年代に大人気となり、今でも、純米酒の代名詞のような存在になっている。
青森県で生まれた酒米には、「華吹雪」「華想い」「吟烏帽子」などがあり、「まほろば吟酵母」などの、まほろば酵母シリーズの開発もある。
岩手県の日本酒の特徴
日本三大杜氏の一つ「南部杜氏」は、花巻市を拠点とする。濃醇甘口の良酒が多いのも、岩手の日本酒の特徴である。中でも「南部美人」は、海外でも知られる銘柄となっている。
岩手県で生まれた酒米には、「結の香」「吟ぎんが」「ぎんおとめ」などがある。酵母の開発も盛んで、「ジョバンニの調べ」「ゆうこの想い」などが広く使われている。
宮城県の日本酒の特徴
淡麗辛口の良酒が多い宮城県は、1986年に「みやぎ・純米酒の県宣言」を行っている。2015年には、県内の7酒造が「DATE SEVEN」を結成した。第一次地酒ブームをつくった「浦霞」や、「無鑑査本醸造辛口」「すず音」が全国的なブームを巻き起こした「一ノ蔵」など、全国に知られる名酒が複数ある。また、「伯楽星」を醸す新澤醸造店は、1%を切る精米歩合を実現した蔵としても知られている。
宮城県で生まれた酒米には、「蔵の華」「吟のいろは」がある。浦霞(株式会社佐浦)は、きょうかい12号酵母発祥蔵として知られている。
秋田県の日本酒の特徴
美酒王国を謳う秋田は、山内杜氏の秋田流低温長期発酵により、なめらかで優しい口当たりの日本酒が多い。秋田県産地呼称清酒認証制度とともに広がった県産のAK-1酵母は、きょうかい1501号酵母となった。次世代を見据えた取り組みとしては、若手蔵元が結成した「NEXT5」も注目されている。全国に知られる酒造も複数あり、中でも、きょうかい6号酵母発祥蔵の「新政」は特筆に値する。
秋田県で生まれた酒米には、「秋田酒こまち」のほか「一穂積」「百田」がある。現存最古の「きょうかい6号」を有するだけに酵母開発熱も高く、「AK-1酵母(秋田流花酵母)」のほかに「AKITA雪国酵母」などがある。