山口誓子が詠んだ酒の俳句
日本三大酒処である広島西条の壽延庭に「寒庭に白砂敷きつめ酒つくり」の句碑が建つ。
生きものの酒ぶくぶくと寒造り
寒造り渚の如く米沈む
寒造り見る発酵のただ中に
寒造り酒米白くなだれ落つ
女人見て腐酒とならざる寒造り
寒庭に白砂敷きつめ酒つくり
おでん酒酌むや肝胆相照らし
太宰の碑濡らせしビール頒けて飲む
火酒は水かと澄めり氷る夜を
火酒を口にふゝめり氷る夜を
喧嘩祭土の桟敷に酒の壜
夜凍みて酒精の壜を口にする
月に供へ清酒は水と異ならず
大石忌酒盃ともなる舞扇
忌に舞へる八千代酔うたる良雄にて
精霊舟乗せたる酒に傾けり
夜涼かな酔眼に甲比丹遊興図