ガラス製の酒器
江戸切子|鮮明なカットが特徴の日本を代表するガラス工芸品
1834年に江戸大伝馬町の加賀屋久兵衛がガラス表面に模様を施したのが始まりと言われている。大正ロマンの代表的工芸品であり、現在では江戸切子協同組合が「江戸切子」と認めているものだけに、伝統的工芸品としての「江戸切子」を名乗ることができる。東京都江東区と墨田区に生産拠点がある。
薩摩切子|ぼかしに特徴が表れる美しいガラス工芸品
1846年に島津斉興の代に薩摩藩が集成館事業の一環として生産していたが、西南戦争前後に途絶えた。1985年に薩摩ガラス工芸が設立されて、復興に乗り出した。現在では失われていた技術に関する研究も進み、美しいぼかしを特徴とする切子が復活している。色の層の厚さに、江戸切子との違いが表れる。
琉球ガラス|沖縄の海をおもわせる涼しい酒器
沖縄のアメリカ軍基地に捨てられていたコーラやビールなどの空き瓶を、溶かして器を製造したのが始まりと言われている。美しい色彩と、ガラスの中に入り込んだ泡に特徴が出る。沖縄の伝統工芸品に指定されており、主に沖縄本島に工房がある。
津軽びいどろ|沖縄の海をおもわせる涼しい酒器
漁業用の浮玉製造が元になっている津軽びいどろ。浮玉がプラスチック製に切り替わったことが契機となって、1977年に誕生した。「四季」「手作りの温かみ」「ストーリー」を重視した、色彩豊かな色ガラスが特徴で、涼しい味わいがある。
カガミクリスタル|日本を代表するガラス食器メーカー
日本を代表するガラス食器メーカー・カガミクリスタル。1934年に日本初のクリスタルガラス専門工場として創業してから、9年後には皇室御用達となる。宮内庁や迎賓館、総理大臣官邸、日本大使館・領事館などで公式に使用されている。
金属の酒器
大阪錫器|酒質を良くする錫器は伝統的工芸品
錫器の歴史は古く、日本でも正倉院に収蔵されている品がある。そんな錫の酒器は、酒質をマイルドにし、酒を美味しくする。また、錫は熱伝導に大変優れているため、古くからチロリなどに使用されてきた。大阪錫器は、歴史ある国内のトップメーカー。使い込むほどに味わいが増す錫器は、晩酌を楽しくする。
チタン|美しい光沢を持ち保温性に優れる新しい素材
加工はしにくいが、その分丈夫でもあるチタン。錫とは反対に低い熱伝導率で保温効果があり、熱いものを注いでも口が熱くならないし、冷たいものを注いでも大丈夫。表面の光触媒作用により、酒質がマイルドになるという効果もある。酸化被膜が美しい色彩をつくり出すチタン。耐食性に優れ、金属成分が溶出することもない。チタンの酒器がひとつあると、夏も冬も非常に重宝する。