風の森 秋津穂657
風の森と言えば、まずは秋津穂。ドメーヌ化を行い、食用米である秋津穂を見事に日本酒に仕上げた。風の森の特徴である発泡感も素晴らしい。辛口ながらもフレッシュな味わいには、ため息が出る。
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尽きることのないアイデアで魅了する風の森
風の森(かぜのもり)奈良県御所市 油長酒造株式会社
高鴨神社の近くに、風の森峠があります。天誅組が陣を敷いた場所で、それに加わった伴林光平が「夕雲の所絶をいづる月を見む 風の森こそ近づきにけり」の和歌をのこしています。その風の森のある御所市に蔵を構えるのが、1719年創業の油長酒造です。風の森付近で酒米を契約栽培し、金剛葛城山系の豊かな水を使って醸造する日本酒は、日本酒ファンのみならず、全国の酒造からも常に注目されています。というのも、独自のアイデアを生かした日本酒造りを行っているからです。
独自の製法が紡ぎ出す「風の森」の魅力
油長酒造の代名詞とも言える銘柄「風の森」は、1998年に誕生しました。その最大の魅力は、なんといってもフレッシュ感と透明感のある味わいです。この独特の風味は、独自の技術によって生み出されています。
一つは、無ろ過・無加水・生酒というスタイル。通常、日本酒はろ過や加水を行うことで安定させますが、「風の森」はあえてそれを行わず、搾りたてのそのままの風味を瓶に閉じ込めています。これにより、米の旨味と華やかな香りがダイレクトに感じられる、生き生きとした味わいになります。さらに、すべての銘柄で氷温貯蔵を採用しており、品質の劣化を防ぎ、フレッシュな状態を保つことにこだわっています。
フレッシュ感を徹底追求!一升瓶の廃止という決断
油長酒造が革新性が現れた出来事の一つが、2018年2月に実施した一升瓶の廃止です。
これは、開栓後の酸化による風味の変化を徹底的に防ぎ、最高の状態で飲んでもらいたいという蔵元の強い思いから生まれた決断です。一升瓶は多くの飲食店で扱われてきましたが、一度開栓すると飲みきるまでに時間がかかり、風味が落ちてしまうことがありました。そこで、より鮮度の良い状態を維持できる四合瓶に一本化することで、消費者が常に最高の「風の森」を楽しめるようにしたのです。この大胆な決断は、日本酒業界に大きな衝撃を与え、他社にも少なからず影響を与えました。
菩提もと復活に貢献した独創的な技術力
油長酒造の技術力は、伝統的な製法にも活かされています。同蔵は、日本酒の醸造方法の一つである「菩提もと」の復活に大きく貢献しました。「菩提もと」は、室町時代に奈良の菩提山正暦寺で確立された日本酒の原点ともいえる製法です。
油長酒造は、この幻の製法を、奈良県工業技術センターや地元の蔵元と共に協力して現代に蘇らせました。そして、そこからさらに踏み込み、「鷹長菩提酛純米酒」や「水端」といった商品を生み出しているのです。
風の森 ALPHA シリーズ
タイプごとにタイトルがついており、TYPE1 「次章への扉」、TYPE2 「この上なき華」、TYPE3 「世界への架け橋」、TYPE4 「新たなる希望」、TYPE5 「燗 SAKE の探求」、TYPE7 「一期一会」となっている。それぞれに実験的な造りとなっているが、どれも実験段階を超えた完璧な逸品である。
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S風の森
2024年に立ち上げた「山麓蔵」で醸造される新しい「風の森」は、日本酒造りの使命を負って、「里山を100年先へつなぐ」をコンセプトにしている。ただ美味いだけではない、風の森の真骨頂。
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