旨い!妖怪の醸し出す日本酒

三芳菊|アマビエも日本酒造りに加わって

日本酒三芳菊四国の山中にある三好市は、鳥取境港と並ぶ妖怪たちの聖地である。ここに、三芳菊という風変わりな日本酒が生まれる。
初めて知ったのは、「残骸」という奇抜なラベルに彩られた奴だった。アニメチックな雰囲気を纏ったそれを、売れぬ商品の売名だろうと蔑視しながらも、店主の勧めるままに注文したことを覚えている。
口に運んだ時の衝撃は、今でも忘れない。フルーティーな日本酒といえば、通常は林檎やバナナや桃のようなものに例えられるが、しばらくは「何だ?」という混乱に陥った。
喉元を過ぎて余韻にひたる頃、体内に広がる温もりが柑橘の香を帯び始めた。その時悟った。これは、かの「時じくの香の木の実」であると。
時じくの香の木の実とは、古事記(垂仁記)に現れる不老不死の木の実である。それは橘であるとも言われ、たいへんな芳香を有していたと。

こんな、常識はずれの日本酒が生まれてくるのも、ここが様々な伝説に彩られた土地だからなのだろう。空海により結界の張られた場所に平家の落人が集い、独自の文化を育んだ。それは、魔のものとも交流する文化であった。日本酒三芳菊
三芳菊酒造のあるあたりには、数々の妖怪伝説が転がっている。特に有名なのは「子泣き爺」であるが、最近の世間の窮状に、各地から妖怪が集っているのかもしれない。その証拠に、最近「アマビエ」という日本酒が出た。
これも、人間の頭には理解し難いラベルが貼られているが、何でも「アマビエ」の札は、それ自体に病魔退散の効果があるという。

この闇の香に花蜜柑咲きしこと 稲畑汀子

▶ 三芳菊

日本一の人気酒

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA